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格安SIMの「BIC SIM」を山奥の秘境に持って行っても繋がるの? 実際に試してみた。

格安SIMの「BIC SIM」を山奥の秘境に持って行っても繋がるの? 実際に試してみた。

"毎月固定費として支出されるスマホ代、高いと思ったことはありませんか? そんな方には「格安SIM」の利用がオススメです!"

インターネット上で、こんなフレーズを見たことはないだろうか?

「格安」とうたっているくらいなので、この格安SIMを使えば、ドコモ・au・ソフトバンクといった大手通信キャリアが提供している料金プランより安くはなるだろう。だが料金が安い分、電波が繋がりづらかったりするのでは? "都心部を出て地方に行くと圏外になることもある" とTwitterのタイムラインで見たこともある。

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ビックカメラが販売するオリジナルの格安SIM「BIC SIM」は実際のところどうなんだろう?怪しい......。

ただ、実際に試してもいないのに「格安SIMは地方では電波が立ちそうにない」という不確かな情報を書くのは良くない。というか、BIC SIMのサイトでそんなことを書くと、色んな大人に怒られそうだ。

なので、検証してきた。

栃木の山奥に。

ルールは簡単、各スポットから東京にいる編集者に電話をいれるだけ。

山奥で電波が繋がるのか試してみた

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栃木県といえば、宇都宮や那須、そして世界遺産のある日光が有名ですが、今回訪れたのは川俣温泉という温泉があるエリア。

地図を見てもらえればわかるように、周りは完全に山。実際、山奥でも観光地になっている場所だと電波が立つことも多い。「山奥に行ってきました!」と言って観光地を紹介しても、「そりゃ観光地だから電波立つよ」とネットユーザーに突っ込まれると思ったからだ。

ちなみに、ここは人はおろか車もほとんど通っていない、聞こえてくるのは謎の鳥の鳴き声だけ。ネットでも「秘境の温泉郷」と紹介されているほど。

ということで、今回は秘境でも「BIC SIM」は繋がるのか巡りながら、「忖度」なしで調査してみようと思う。

橋でも電波は繋がるの?

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最初に訪れたのは、川俣大橋という大きな橋。車で走っているときに偶然見つけた。川俣湖という大きな湖にかかっている。

僕ら以外は、人も車も通っていない道だが、電波はどうだろう......?

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あれ? ちゃんと、電波が立っていた。しかも、4本。歩きスマホをしている人なんてここには皆無なのに、電波が立っていた。おかしいな。

念のため、編集さんに報告しておこう。

長橋

あ、もしもし? いま、川俣大橋という場所で調査してみたんですが、ここもちゃんと電波が繋がります!

編集者

お疲れ様です。そうですか、了解です。

長橋

ツーツーツー、え、なにこの温度差......。

滝でも電波は繋がるの?

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橋の周辺には滝があった。この滝は蛇王の滝(じゃおうのたき)と言うらしく、流れる姿が蛇のようであることから名が付いたそうだ。言われてみればたしかにそう見える気もしないでもない。

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ここでも電波状況を調べてみた。

滝の勢いと同じく、流れるように電波が立っている。

さっきは、そっけない対応だったが、今回も報告しておこう。

長橋

あ、もしもし? 蛇王の滝、すごいですよ!

編集者

へぇ......そうなんですね

長橋

もう少し、興味持ってくれてもいいのに......。

間欠泉でも電波は繋がるの?

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近くには、 "間欠泉" という一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉を見ることもできた。間欠泉は国内で約10箇所ほどしか見ることができないらしい。

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間欠泉も立って、電波も立っている。

長橋

あ、もしもし? 間欠泉って知ってます?めちゃくちゃ珍しいですよ!

編集者

はぁ......、良かったですね。引き続きよろしくお願いします。


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間欠泉を見ることができる展望台には、無料で足湯に入ることができる場所があった。電波が立っていたおかげで、足湯に入りながらスマホをいじることが可能だった。めっちゃリラックスできる。

せっかくここまで来たので近くの秘湯に入りに行くことにした。

秘湯でも電波は繋がるの?

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というわけでやって来たのが「平家平温泉」。ここは日帰りでの入浴も可能ということである。ここは宿泊施設ということもあり電波は余裕で立っているので、問題なくスマホを使用できた。

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電波が立っているので、風呂上がり後にスマホを使ってこの辺りの飲食店を調べてみると、なにやら、マタギ料理(狩猟を生業とする人が作る料理)を食べることができる場所があるらしい!!!

マタギ料理とは山奥ならではだ。お腹も空いてきたし、行ってみることにした。

「またぎの里」でも電波は繋がるの?

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訪れたのは「またぎの里」という飲食店。そのまんまのネーミングである。ここでは、様々な野趣あふれるメニューを食すことができるそうだ。

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特に注目なのが、クマ料理。写真右の熊丼を始め、写真左下の熊汁など、東京ではお目にかかることがないであろうメニューを食べることができる。(左上の串焼きはイノシシ)

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クマは、脂が乗った豚肉っぽい味がした。臭みもなく美味しい。白いごはんにぴったりだ。スーパーに売っていたら買ってしまうと思うほど。

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ここも電波はちゃんと繋がったので、熊肉が美味しいことを電話で報告することができる。

長橋

あ、もしもし? 熊肉って食べことありますか?美味しいですよ!

編集者

ないです。

長橋

あっさり......。


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BIC SIMなら山奥でも繋がる!

今回調査したエリアは、かなりの山奥であることは間違いないが、格安SIMのBIC SIMを使えば、秘境でも電波が通じることがちゃんとわかった。

とはいえ、どうしてそこまで電波がちゃんと繋がるのだろうか。こんなに山奥なのに。東京に帰って調べてみると、「BIC SIMの通信速度は、タイプDの場合下り最大1288Mbps・上り最大131.3Mbps、タイプAの場合下り最大958Mbps・上り最大112.5Mbpsでかなり早い」ということわかった。

格安SIMなのに、地方でも安心して使えるBIC SIM。通信品質以外にも、2年縛りなしで全国規模のWi-Fiも利用できるなどメリットは盛りだくさん。

最後に......。

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なお帰り道、あまりの霧で走行が困難になった。死ぬかと思った。

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しかし霧の中でも、電波は立っていた。視界はダメだが電波は立つ。急な危険でも、電話をして助けを呼ぶこともできるのだ。さすがBIC SIM。

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長橋

あ、もしもし? いま、霧がすごくて帰れなくなってしまって......。助けに来てもらえませんか?

編集者

今東京なので、行けません。霧が晴れるのを待ってみてはどうですか?

ツーツー、切れた...。

いくらBIC SIMが万能だからといっても、電話をして「大丈夫ですか」の一言をくれるような友達や恋人がほしい、そう思った一日である。

取材・文 長橋 諒