通信費を見直したら年間7万円の節約に! 家計に悩むシングルマザーがファイナンシャルプランナーに家計節約術を聞いてみた
こんにちは。2人の子どもを持つシングルマザーかつ、何の保証もないフリーライターという、アバンギャルドな生活を送っている吉田可奈です。
2019年4月で小学6年生になった娘は、思春期に突入しました。私が再婚するのであれば、「顔も中身も吉沢亮クラスのイケメンじゃないとイヤだ」と口走り、自室に引きこもったと思えば私のiPadからTikTokで毎日動画をアップしています。かと思えば、スライムを作りたいから"ほう砂"を買ってほしいと上目遣いで頼んでくるので、子育ての楽しさをしみじみと身に染みて感じています。
そんな娘が最近二言目に言うのが、「自分専用のスマホが欲しい」ということ。
今はキッズケータイを持たせていますが、娘を溺愛するじいじとばあば、そしてママの私にしか連絡ができないことはもちろん、なによりTikTokが見られないということが苦痛で仕方がないと訴えます。そこで却下すると、必ずこう言うのです。
「みんなは買ってもらってるのに~!」
人間誰もが一度は言ったことのあるセリフです。そのみんなとは、だれのことなのでしょうか。
とはいえ、中学生になったらスマホを持たせてもいいのかなと思いつつ、気になるのは通信費。今はキッズケータイなので月額1000円ほどで済みますが、スマホとなると、その金額は倍増するはず。最近よく聞く格安SIMにすると安くなるっていうけど......。 さらに、迫りくる大学入学資金も貯めなければいけないし......。私の人生のうるおいであるアイドルにもお金を使いたいし......。
よし、これはプロに話を聞こう! ということで、ファイナンシャルプランナーである野沢千勢さんにお話を聞きに行きました。
今回お話を聞いた、ファイナンシャルプランナーの野沢千勢(のざわちせ)さん。ファイナンシャル・ジャパン株式会社所属。企業、個人(独身、共働きご夫妻、ファミリー、シニア)など幅広いお客様の問題解決に務めていらっしゃいます。
家計を見直したいベスト3は住宅費・保険料・通信費
―将来の貯蓄や、娘と息子の今後の教育費などが心配で節約しなきゃと思っているのですが、あらためて家計を見直すとしたら、どこから始めたほうがいいのでしょうか。
野沢さん:みなさん、節約を始めるときに、どのスーパーのほうが卵は安いのか、こまめに電気を消すなど、身近なことから始めますよね。もちろん、このような日々の節約も大事なことですが、これをいくら重ねたとしても、家計に与えるインパクトは大きなものではありません。だからこそ、家計が占める大きな金額から整理をすることが節約の最大のポイントとなってきます。
―となると、一番大きなのは......。家!?
野沢さん:そうですね。住宅費は、生活費の中でいちばんかさみます。賃貸であれば毎月の賃料を1万円下げるだけで年間12万円の節約になります。ローンを利用して購入しているのであれば、金利を見直し、1%下がったものと契約をし直すことで、支払う金額が大きく変わってきます。
―我が家は団地の一室を固定金利で購入したんですけど、それでも見直せますか?
野沢さん:もちろん、見直せます。まだ残高が1千万円以上、さらに完済まで10年以上残っているのであれば、一度借りたところに相談してみると、新しいプランが出ている可能性がありますよ。そして、もうひとつ、見直してもらいたいのが保険料です。
―保険料! これもまた、保険会社に言われた通りに払ってしまっている人が多いと思うんですよ。我が家は未来が不安すぎて、8個くらい保険に入っています。
野沢さん:8個......! なかなか手厚くかけてらっしゃいますね。
―私もそう思います(笑)。でも、実際に息子が旅館のふすまに穴を開けたり、親戚の家の洗面台を割ってしまったときなど、すべて傷害保険で戻ってきたので本当に助かりました。
野沢さん:なかなかアグレッシブな息子さんですね......(笑)。確かに、とくに男の子だとそういったトラブルもよくあることなので、保険に入っているとすごく助かりますよね。ただ、むやみに入ればいいわけではなく、毎年保険の内容も変わってくるので、見直していくことが大事なんですよ。
―なるほど......。住宅と保険は大きいですけど、なにか気軽な所から節約をすることはできますか?
野沢さん:それなら、通信費を見直すのが一番です。
―スマホ代ということですか?
野沢さん:はい。スマホを変えるだけで、今までと同じ生活でいながら、驚くほど通信費を抑えることができますよ。
通信費を見直すことで年間7万円もの節約が実現する!
―今、我が家のケータイ費用は、端末代が払い終えた状態で月に13,000円くらいになります。娘はキッズケータイなので月額1,000円がかかっています。ちなみに我が家には私が以前使っていたiPhoneがもう一台あるので、娘が家のWi-Fi環境内だけで使っていますが、外でも使える自分専用のスマホが欲しいと言い出しまして......。また通信費が増えそうなんです。ちなみに、理想的な通信費はいくらくらいになるのでしょうか。
野沢さん:通信費だけで言うと、月で1人5,000円以内に抑えるのが理想です。吉田さんは動画はよく見ますか?
―ものすごく見ます! 大好きなアイドルがライブ配信をしていますし、SNSも欠かせません。なのでデータ通信容量は大きいほうがいいのですが......。ちなみに電話は受けるほうが多いですね。友達との電話はLINEで済ますので、通話代はそんなにかかっていないと思います。
野沢さん:本体代が払い終えているのなら、データ通信料が安くなる格安SIMに変更するのがオススメです。MVNOってご存知ですか?
―MVNOはわかりませんが、格安SIMならなんとなく......。
野沢さん:MVNOは格安SIMを提供する会社のことなのですが、大手キャリアの回線を借り受けて音声通信やデータ通信のサービスを提供しており、回線設備などの維持に必要な費用が掛からないため月々の通信料をお安く提供できるんです。
―なるほど。でも回線を借り受けてって聞くと、通信が遅かったり繋がりにくかったりするのではないかと不安も感じるのですが......。
野沢さん:そうですね、お昼の時間帯や帰宅の時間帯など、回線が混み合うことがあると公式HPに記載している格安SIMサービスもあります。ただ、私も実は格安SIMなのですが、あまり繋がりにくさは感じたことはないですね。
―え! そうなんですか!
野沢さん:スマホ代は本体代と合わせて考える必要があって、大手キャリアは月々の契約に本体代の割引がある場合があるので、もし本体代が残っているのであれば、本体代を払い終えてから格安SIMに移行したほうがいいと思います。
―私のスマホは、本体代払い終えています!
野沢さん:それで、しかも使っていない別のスマホ本体があって、それを娘さんが使いたいという希望があるのであれば、格安SIMに変えてもいいタイミングです。
―サービスがたくさんある中から、格安SIMはどう選べばいいんですか?
野沢さん:自分のライフスタイルに合った選び方が一番だと思うのですが、吉田さんの場合娘さんのスマホを新たに追加したいという希望がありますよね。なので、家族割や複数台契約することでおトクになるプランがいいのではないかと思います。
たとえば、BIC SIMのファミリーシェアプランであれば、基本料金が3,586円で、2台目に娘さん用のスマホ(使っていない本体代を払い終えた端末)に音声通話機能付きSIMを使用する料金が+770円。動画を見たいなら20GBオプションで通信容量を増やすと+3,410円。32GBを家族でシェアする形で契約すると、月7,766円で済んでしまいます。
―ちょっと待ってください! それであれば、私のお下がりであるスマホもそこで現役に返り咲きするってことですか......?
野沢さん:ちなみに、使っていない端末はiPhoneの何ですか?
―iPhone 7です。
野沢さん:iPhone はOS自体がアップデートすることができるので、古い端末でも新しい機能が使えるというメリットもありますよ。あまり古すぎると非対応になってしまうのですが、iPhone 7であれば大丈夫だったと思います。
―なるほど。このファミリーシェアプラン、SIMを10枚まで追加できると書いてあるのですが......。
野沢さん:なので、息子さんが「自分もスマホが欲しい」と言い出した時でも、通信費は音声通話機能付きSIMの追加利用料の770円を払うだけで使用できてしまいます。
―それは将来的に考えてもお得ですね! となると、今までかかっていた14,000円から7,766円を引いて、月額6,234円の節約ができるんですね。
野沢さん:そうですね。それだけでも、年間7万円が浮きます。
―それは大きい! しかも、今使用しているiPhoneがそのまま使えるのであれば、乗り換えしない理由が見つからないですね!
いざという時のために年収の30%~50%は貯蓄するのがベスト
―家計を見直す時には、どんなことを大事にすればいいのでしょうか。
野沢さん:もし、病気になったり事故になって働けなくなったことを考えると、ひと月の生活費の3か月から半年分までは預貯金をしておくのがベストです。それが最低限の貯金として、あとは、老後のお金や教育資金など別に貯めておくのがいいですね。
―ちょ、ちょっと待ってください! 月30万円をもらっていたとしたら、老後や教育資金のほかに200万円は貯金しておいたほうがいいということですか?
野沢さん:それが理想です。
―無理です! それに、今、不自由なく生活ができているだけで、なんとなく大丈夫だと思ってしまう自分がいます......。
野沢さん:同じママとしてはその気持ちわかります(笑)。でも、老後を安心して暮らすためには、3000万の貯金が必要だと言われています。そのためには35才であれば、月8万円の貯金が必要になります。
―ちょっと......よく......聞こえないです......。
野沢さん:でも、これはあくまでも理想です。なので、優先順位をつけて、「今はなにが大事なのか」ということを考えてお金を使っていくのが大事だと思います。
―なんだか辛くて涙が止まらなくなってきたんですが、オススメの貯蓄方法はなんですか?
野沢さん:まずは自分の貯蓄の目標額を決めて、不安がないように貯めていくのが良いと思います。その際、個人年金をご検討することも選択肢一つですね。あとは、毎月コツコツと貯めるのはもちろん、資産運用なども考えながら、65歳の定年を迎えた時に不安がないように貯めていきましょう。
2019年子どもがいるご家庭に朗報が!
―考えれば考えるほど、趣味にお金をかけてはいけない気がしてきました......。つらい......。10月には消費税の増税もあると言いますし...。なにか希望が見える話はありませんか!?
野沢さん:2019年の明るいネタとしては、幼児教育の無償化が実現することです。保育料や、幼稚園代は、家庭の収入によって差はありますが、かなり大きな出費になりますよね。今年からは、それが浮く家庭が多くなると思いますので、そのお金をお子さんの教育資金に回したり、老後の貯金に回したりと、有効に使っていきましょう。
まとめ
野沢さんにショッキングな話からオトクな話まで聞いて思ったのが、まず年間7万円を浮かすことのできる格安SIMに変えるということでした。しかも、これなら娘にスマホを与えることもでき、さらに節約もできるという、良いこと尽くし! さらに動画もたくさん見られて、2台で月額約7,000円となれば文句なし。これなら思春期の娘とけんかすることなく、少しずつ、貯金ができそうです。 これはもう善は急げ、すぐにでも乗り換えに行こうと思います! 野沢さん、ありがとうございました。
文/吉田可奈
撮影/垰亮太
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