格安SIMならビックカメラの「BIC SIM」
安心の高品質通話&高速データ通信
特集

5Gが本格化したらどうなる?近未来のVRコンテンツについて教えてもらいに360Channelを訪問してみた

5Gが本格化したらどうなる?近未来のVRコンテンツについて教えてもらいに360Channelを訪問してみた

初めて体験するVRの世界に圧倒されながらこんにちは! ライターの観音クリエイションです。鳥人間コンテストのVRがヤバい。パイロットの視点が完全再現されている。水面に墜落する瞬間に「死ぬ!」という恐怖で思わず息を止めてしまいました。

今回はVR動画配信サービスを展開する「360Channel(サンロクマルチャンネル)」さんのオフィスに学びにきています。コロナ禍で対面での営業ができない中、VRに活路を見出した企業も出てきており、今後ますますその需要が高まりそう。こういうのは早めに順応しておきましょう。

というわけで本日VRについていろいろ教えてくれる人はこちら!

中島健登さんの画像

株式会社360Channel 中島健登さん
新卒で株式会社コロプラに入社研修後、VRを体験してその可能性の大きさを実感し、社長に「VR事業やりましょう!」と直談判。するとそれがアッサリ通ってVR動画配信事業会社・株式会社360Channelをコロプラの子会社として設立し、代表取締役社長に就任。
公式サイト:360Channel(サンロクマルチャンネル)

VRが普及したのはいつごろから? 何がきっかけ??

―今日はよろしくお願いします。僕はVRの流行の波に乗り遅れてしまった人間の1人でして、今回の記事では僕みたいな層にVRの楽しみ方や、VRコンテンツの現状なんかをお伝えできればと思います。

中島健登さん(以下中島さん):よろしくお願いします。なんでも聞いてください。

中島健登さんの画像

―まずVRのユーザーが増えた経緯について教えてもらえますか? VRって「次はVRが来る」「これからはVRの時代」っていう言葉だけが一人歩きしているなーと思っていたら「うお、いつの間にか結構普及しとるやんけ」という印象で。VRがここまで普及したのって何がきっかけだったんでしょう?

中島さん:一般消費者向けのスタンドアロンのVRデバイスが発売されたことが大きいでしょうね。2016年ぐらいまではVR用に別途ハイスペックなパソコンを買って、ゴーグルを買って、ケーブルを買って......とVRを始めるために必要なお金が結構かかったんですよ。ざっくり全部合わせて20〜30万円ぐらいかな。

―30万円。なかなか買うのに躊躇する金額ですね。

中島さん:ですよね。その後2016年ぐらいに10万円を切る価格帯のスタンドアロン型のVRデバイスが出始めて、そのころからちょろっと売れ始めたな、というのが実感ですね。

ーちなみにスタンドアロン型というのは「VRゴーグル単体で動くやつ」という認識で合ってますか?

中島さん:はい、合ってます。Androidが内蔵されていて、PCなどの別のハードウェアに接続する必要がなく、VRゴーグル単体で動くものがスタンドアロン型ですね。

―それでも10万円って結構な金額ですよね。今もまだそのぐらいのお値段するんですか?

中島さん:いえ、さらに買いやすい価格になっていますよ。その後2019年5月に発売されたOculus Questは送料含めても5万円で買えます。このOculus Questの発売はVRの普及をかなり後押ししたと思います。Oculus Questがこの価格で出て、それまでVRに興味もなかった人たちが買い始めたんですよね。

VRゴーグルOculus Questの画像▲5万円台で買えるというスタンドアロン型のVRゴーグル・Oculus Quest

スマホで楽しむVRには、具体的にどんなコンテンツがありますか?

―今回はBIC SIMコラムという格安SIMのメディアの取材なので、スマホで楽しめるVRについて教えてもらえたらなあと思うのですが、2020年現在、スマホに対応したVRコンテンツはどんなものがあるんでしょう?

中島さん:実はスマホで体験できるVRって本当に限られていて、スマホ用のVRゴーグルって「一応動画視聴ができる」「シンプルなゲームぐらいならできる」というぐらいのものなんですよね。さっき紹介したOculus Questと比べるとオモチャレベルというか。

―Oh......。

中島さん:価格的なメリットは大きいんですけどね。たとえばこのELECOMのVRG-S01BKなんかだと2,000円ぐらいで買えますし。

ELECOMのVRゴーグルの画像▲スマホを差し込んで使うELECOMのVRゴーグル

―やっす!

中島さん:めっちゃ安いですよね。

―これでVR動画を見る流れって、スマホでサイトにアクセスして、再生して、このゴーグルにはめ込む、という感じですか?

中島さん:そうですそうです。なので「とりあえずVRがどんなものなのか試したい」「クオリティはそこまで高くなくていいからVR動画を見てみたい」という方にはいいかもしれません。

―ほー。このゴーグルで見られる動画ってやっぱり制限あったりします?

中島さん:いえいえ、VR動画であれば何でも見られますよ。たとえば弊社360Channelで提供している動画はすべて再生可能です。無料のコンテンツも結構充実しているので、「とりあえず何かVR動画をみてみたい」という方にはぜひアクセスしていただければと。

360Channel公式サイトのTOP画像360Channel公式サイトでは舞台をはじめとしたスポーツ・グラビア・エンタメ・トラベル等多岐にわたるジャンルが制作されているそう(一部有料動画あり)

―なるほど。VRの動画配信って、最近はどんなコンテンツが出ているんですか?

中島健登さんの画像

中島さん:うちでは舞台をVR映像化することに力を入れていますね。舞台って、地方の人にとっては観に行くハードルが高かったり、せっかくチケットが取れても一番後ろの席だと臨場感に欠けたりと、結構いろいろと課題があって。それがVRだと自宅にいながら、しかも最前列の席で観ているのと全く同じ体験ができるんですよね。

―へーすごい。じゃあもうリアルで観に行く必要ないんじゃないですか?

中島さん:いえ、まだそこまでではないんですよ。やっぱり「生で観たい」とか「劇場の雰囲気を味わいたい」という声は多くて、今のVRの技術ではそのあたりを超えられていないのが実情です。弊社としてもこういった期待には応えたい気持ちが強く、デバイスの進化、演出の進化、ユーザーの進化を経て、まだないエンタメの形が作れたらなとは思っています。

格安SIMでもVRコンテンツは楽しめる?

―そういったVRコンテンツって、格安SIMでも楽しめるもんですか?

中島さん:うーん、正直厳しいと思いますね。というのも、VR動画って1時間で10GBくらいの容量があるんですよ。

―格安SIMじゃなくても再生したら一発で速度制限かかっちゃうサイズ。

中島さん:ですね。なので、スマートフォンやスタンドアローン型のVR HMDでは、Wi-Fiでのご利用をおすすめしております。

―今後5Gが提供されたらそのへんも変わってきますかね?

中島さん:あ、それは大いにありえますね。5Gは現在提供されている4Gよりもさらに大容量、低遅延になるはずなので、そうなってくると動画に限らずゲームやソーシャルアプリなど、VRのコンテンツが全部まとめてスマホで楽しめるようになる可能性はあります。

中島健登さんの画像

VRコンテンツを体験させてもらおう

―今回せっかくなのでVRのコンテンツを体験したいんですが、「VR初心者にはまずこれ!」っていうおすすめのコンテンツって何ですか?

中島さん:個人的におすすめのゲームや観てほしい動画などがたくさんあるのですが、VRを体験したことがない人に一番最初にやってほしいのはダントツでOculus Questのチュートリアルですね。

―チュートリアル? 最初に基本的な操作方法を教えてくれるやつ?

中島さん:そうです。このチュートリアルにスタンドアロン型VRのすべてが詰まっています。5分もあれば、現状VRでできることがある程度理解できますよ。

―ちなみにスマホでVRを体験するとしたら何かおすすめありますか?。

中島さん:うーん、動画を観るぐらいしかないんですよね。あ、じゃあまずスマホでVR動画を見てもらって、その後Oculus Questのチュートリアルをやってみてもらいましょうか。

―よろしくお願いします!

VR体験中の写真

中島さん:スマホでVR動画を観る際はこんな感じでまずスマホで再生して、再生したらすぐにゴーグルにはめて視聴する、という流れになります。じゃあ、この動画いってみましょうか?

VR体験中の写真

―こんな感じ?

中島さん:そうですそうです。

VR体験中の写真

ーふんふん。あーはいはいはい。なるほどなるほど。

中島さん:VRの世界を初めて体験するとき、観音さんみたいに何かに納得するリアクションを見せてくれる人が多いんですよね。大体みんな「なるほど」って言う気がする(笑)。

VR体験中の写真

ーほー、すごい。のですが、視覚も聴覚も現実の世界みたいな感覚なのに、触覚が再現されないのが違和感ありますね。めっちゃ臨場感ある3D映画を見てるみたいな気分。

中島さん:そう、そのあたりがスマホでVRを体験するときの限界なんですよね。これがOculus Questだとコントローラーを手に持って、ゴーグル越しに見えているVRの世界のものを持ったり投げたりできるようになります。自分の動作のフィードバックがコントローラーの振動で返ってくるので、触覚まで再現されて没入感はかなり高まりますよ。

ーじゃあ次はOculus Questのほうを体験させてもらってもいいですか? チュートリアルがおすすめでしたっけ。

中島さん:はい。すぐ準備しますので少々お待ちを。

VR体験中の写真

―設定している様子がシュール。

中島さん:ほんとそうですよね。これはどのゴーグルもこういうものなので、あんまり気にしないでください(笑)。はい、どうぞ。

―僕は何をすればいいですか?

中島さん:ゴーグルをかけたらガイドが世界観や操作方法の説明をしてくれるので、それに従ってみてください。僕の説明なしで、VRの可能性やすごさがわかっていただけるはずです。

VR体験中の写真

―うーわ。すげえ。すげえ! なんかTHE・仮想世界みたいな部屋でボールを投げたり銃を撃ったりしてるんですが、ボールを持ったときの触感や銃を撃ったときの反動がコントローラー越しに伝わってきますね。重力の法則もほぼ完コピされてるから違和感がまったくない。

中島さん:すごいでしょう?

―すごいです。想像してた以上です。

中島さん:ちなみにそのレーザー銃、二丁同時に操作できますよ。

_FJY4875.jpg

―すっご。自由度高すぎでしょ。

中島さん:ね。感動しますよね。

―こういうシューティングゲームって、臨場感や没入感を求めるとどうしても家庭用のゲーム機じゃ物足りなかったじゃないですか。だからみんなゲームセンターに遊びに行って、拳銃の形をしたコントローラー付きの筐体で200円とか払ってプレイしてたと思うんですけど、このVR、ゲームセンターのクオリティ超えてますよね。

中島さん:そうなんですよ。Oculus Questを使うとこういう感じで、現実を超えてくる体験がいろいろとできるわけです。

―取材長引いちゃって申し訳ないんですけど、あと30分だけ遊ばせてもらってもいいですか?

中島さん:どうぞどうぞ(笑)。ここまで楽しんでもらえるとは。冥利につきます。

今後、VRコンテンツはどんなものが出てきますか?

―いやーすごかった。終わってゴーグルを外すと「ただいま」という気持ちになりました。なんか「現実とVRの違いがわからなくなる」というよりは「現実と夢とVRの違いがわからなくなる」というか。

中島さん:あー、わかるかも。

―ちなみに今後、「VRはこういうコンテンツが増えていく」みたいな予想って中島さんの中であったりしますか?

中島さん複数人のユーザーが同時に楽しむコンテンツが増えていくと思いますね。例えば友人同士で野球中継や舞台を一緒に観たり、バーチャルの空間で会話したり。あとは現実世界に付加価値を付けるような方向性。野球でいうと審判目線やピッチャー目線で試合を観戦できたり、ユーザーが好きなタイミングで花火を上げたり。

―すごい。近未来だ。

中島さん:あとは近い将来、このVRの世界の中にECサイトが出てくると思います。ショッピングモールにいるかのように商品を手にとって吟味できるサービス。

中島さん:将来的には旅行代理店で旅行のパッケージを購入できて、その旅行もVRの世界の中で完結できればいいですよね。それができるようになれば、たとえば老人ホームにいるおじいちゃんにゴーグルを付けてもらって体験を共有する「VR家族旅行」という未来的な娯楽が実現できるかもしれません。

まとめ

今後は仕事でも生活でも避けては通れないことになるであろうVR。今回実際に体験してみると、想像していた以上に発展していたんだな、と思いました。個人的には今回体験させていただいた「Beat Saber」という音ゲーが楽しすぎたのでやり込んでハイスコアを叩き出したいと思います。

中島さんによると、Oculus のVRゴーグル"Oculus Quest"は公式サイトで最短・最安で購入できるので、オススメとのこと。「この機会にVRを試してみたい!」という方は一度体験してみてはいかがでしょうか!

文/観音クリエイション
撮影/藤井洋平