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節約はしたい、でも浪費がやめられない人のためのファイナンシャルプランナー・横山光昭さんの家計相談室

節約はしたい、でも浪費がやめられない人のためのファイナンシャルプランナー・横山光昭さんの家計相談室

人生100年時代、老後2000万円問題――。「そんなのまだまだ先のこと!」という人も、気になり出すのは時間の問題。長い人生、家計の見直しは避けられません。とはいえ、どうしたらいいかわからないのがお金の難しいところ。そんな悩みを抱えて、累計2万3000件を超える相談に対応しているファイナンシャルプランナーの横山光昭さんの元を訪ねました。

とある悩みを持つ3名への家計再生アドバイスのほか、横山さんの意外な趣味、仕事の経緯、驚愕のスマホ代まで明らかに! 「何から始めたらいいの?」という問いに対する、横山さんの答えとは。

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こんにちは。ライターのツマミ具依です。

今日は新宿に来ています。宵越しの金は持たぬタイプの人間が集まる街(※個人の意見です)ですが、なにやらこの辺に「節約はしたい、でも好きにお金も使いたい!」という人の"駆け込み寺"があると聞いてやってきました。

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その正体とは、あるファイナンシャルプランナー事務所。庶民にはあまり馴染みがないですが、こちらは家計再生も請け負うらしく、わりとピンチな人も利用しているみたいです。ファイナンシャルプランナーってお堅い職業だし、ビシバシとダメ出しを喰らいそうな予感......。

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こちらが事務所のようです。お邪魔します!

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「こんにちは。ファイナンシャルプランナーの横山光昭です」

横山光昭さん
ファイナンシャルプランナー。家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表。お金を貯めさせる、増やさせるプロ。業務は「個別家計相談」がメインで、お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は2万3000件を突破。代表作の『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など、147冊の著書を持ち、累計348万部。書籍・雑誌への執筆、講演への登壇経験も多数。

節約はしたい、でも浪費がやめられない人たちのための横山さんの家計相談室

―よろしくお願いします。ファイナンシャルプランナーの事務所に初めてお邪魔しました。なんとなく高所得者じゃないと関係ない世界だと思っていましたよ。

横山光昭(以下、横山):たしかに、貯蓄2,000万円以上持っていないと対象外という事務所もあって、そういう人はきらびやかな感じの事務所に行きます。うちの場合は、いい意味で普通の方がきています。30〜40代が多いですね。

―イメージが変わりました。まさに普通の人を代表して、今回はこちらで声を集めた家計の悩みを抱える3名へのアドバイスをお聞きしたいと思います。

相談者1人目:推し活をやっている人

相談者1

心の安定剤として、推し活をやっていて貯金が貯まりません。でも推し活はやめられません......。娯楽費の上限は何%までなら許されるでしょうか?

(埼玉県・30代・女性)

横山:推し活ね〜。うちのお客様にもね、韓国のアイドルやジャニーズを追いかけている人がいます。同じ公演を見に全国4か所を回って、「昨日と違ったね」とか盛りあがってるみたいですけど、ボーナスを丸々使っちゃて全然お金がないっていう。

ーそんなフツーの女子も来てるんですね。親近感湧くなぁ。

横山:実際、趣味に使うことで、家計がガタガタに崩れているお客様も多くいらっしゃいます。お金がない生活を覚悟して納得できれば、それはそれでいいんじゃないですかね。

ーあれ、もしや優しく突き放すタイプ......?

横山:でも、相談に来ているってことは貯めたいってことですから、趣味と貯金、どっちをとるか決めてくださいって言います。

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―ざわ......ざわ......

横山:冷たいかもしれないけど、そうなっちゃいますよね。だから推し活をやっていいんですけど、推し活をするためにどうするのかを考えなきゃいけない。まずは上限の金額から決めてもらえればと思います。

僕が作成した「お金が貯まる理想の支出割合」というのがあるんですが......。
例えば、住居費は22.0〜24.0%、食費は15.0%、通信費なら2.5〜3.0%など家計における理想の割合がありまして、理想の娯楽費の割合は1.0%です

家計費内訳 手取り30万円の場合 手取り35万円の場合 手取り40万円の場合
住居費 24.0% 23.0% 22.0%
食費 15.0% 15.0% 15.0%
水道光熱費 7.0% 6.0% 5.5%
通信費 3.0% 3.0% 2.5%
生命保険料 6.0% 6.0% 5.5%
生活日用品 2.0% 2.0% 2.0%
自動車関連費 4.0% 4.0% 4.5%
医療費 1.0% 1.0% 1.0%
教育費 2.0% 2.0% 2.0%
交通費 1.0% 1.0% 1.0%
被服費 2.0% 2.0% 2.0%
交際費 1.0% 1.0% 1.0%
娯楽費 1.0% 1.0% 1.0%
小遣い 10.0% 10.0% 10.0%
嗜好品 1.0% 1.0% 1.0%
その他 3.0% 3.0% 3.0%
貯蓄 12.0% 15.0% 17.0%
支出合計 100.0% 100.0% 100.0%
※中学生1人、小学生1人の子育て世帯の場合

―えっ?1.0%を目指すべきってことですか?

横山:はい。過去のお客様のデータを振り返って出した割合がこちらなんです。でも、一般的に考えたら、これにぴったり合わせようなんてできないですよね。自分でデータを出しておきながら、「この品目は何%で......」とか、「難しいよね」というのが本音でして(笑)。実際これに近い人はいますが、目指す必要はなくて、あくまでも参考にはなる程度です。

―つまり、どこかがオーバーしても別の項目を調整して合計が100%になればいいということですか?

横山:そういうことです。カスタマイズして自分らしいモデルをつくるのが一番。だから、娯楽費の上限は何%とか言い切るつもりはありません。

できれば、先に貯蓄分を引いて、残金を割り振りする。いわゆる先取り貯金をするといいでしょう。この表でいうと手取り30万円の12.0%なので......月5万円ですね。

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―結構重いですね......。月5万円というのは、老後2000万円から逆算した金額ですか?

横山:そうですね。老後2000万円の話題が出たときは、できっこないと驚かれる方も多かったんですが、残念ながらやっぱり必要な額なんです。月27万円で生活する夫婦がモデルとなっていて、厚生年金で第3号被保険者の奥さんがいる夫婦だと、月21.5万円の年金などがもらえる。それに不足している月5.5万円を30年分かけると約2000万円(1980万円)っていう話なんですよ。

―うわあ......2000万円という数字がこんなにリアルだったとは......。

横山:実は年金だけでは生活できないのは知っている人も多いとは思いますが、リアルに2000万円も必要だということを考えなきゃいけない。しかも、介護とかリフォームとかは入ってないんですよ。なので、これにさらに1000万円を乗っけて考えようというのが僕たちの提案。案外、のんきなこと言ってられないんですよ。

相談者2人目:洋服が好きすぎる人

相談者2

ファッションが好きで、洋服ばかり買ってしまいます。将来洋服関連の仕事につきたいので、未来への投資だと思っていますが、お金がほとんど洋服に消えてしまって貯金ができず不安です。

(東京都・20代・男性)

横山:この方も、本当に洋服が好きということであればいいんじゃないですかね。うん。ただ、ファッションが好きな人は年間で予算を考えることをおすすめします。

―月単位ではなく、年間ですか。

横山:年間ならなんとなく買い物をしてしまうのも防げます。たとえば年間20万と決めて、毎月は買わず、3ヶ月に1回5万ぐらいのもの買うとか。ファッション誌のお金の特集でも、今年はコートを買おう、今年は安めのパンツを買おうとか、年間計画を立てるようにアドバイスしています。

―なるほど。他の趣味にも通じるところがありそうです。

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横山:やっぱりコロナ禍でストレスや不安があるので、今はネットで欲しいものをぽちぽち買ってしまう人は増えてます。買い占め騒動然り、人々の不安って趣味や生活用品といった変動費に影響が出るんですよね。

―なおのこと年単位で計画を立てたほうがいいですね。

相談者3人目:ギャンブル好きの人

相談者3

少しずつ貯金もできていますが、昔から競馬やパチンコなどのギャンブルが趣味です。予算は月5万円までと決めていますが、娯楽費は全体の1%は超えています。ギャンブルに使いすぎですか?

(神奈川県・40代・男性)

横山:本当に好きなら割合は気にしなくていいですよ。繰り返しになりますが、比率はあくまでも目安なのでそこまで気にしなくていいんです。もし結婚していて、家の生活費や必要資金を持ち出すようなことをしていたら問題ですが、自由に使える範囲内ならいいと思います。

―たとえギャンブルでも、分け隔てなく趣味を肯定してくれるんですね。

横山支出の価値には消費と浪費と投資の3つがあって、浪費は好きなことをやっていいんですよ。それにこの男性の気持ちがわかるんですよね〜。僕もギャンブル好きでしたから。

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―え、横山さんもギャンブラーだったんですか!

横山:学生時代にバイト先の先輩に影響されて、よくパチンコや競馬をやりましたよ。20万くらい買ったり負けたり。単純に面白いから負けてもいいし、お金が増えるかもしれない。やっぱり根っからお金が好きなんですよね〜(笑)。

―元ギャンブラーのファイナンシャルプランナーって珍しいのでは?

横山:たしかに珍しいかもしれないですね。ファイナンシャルプランナーの同期は、タクシー代を気にする日頃からお金にシビアなタイプで、だいたい合わなかったですね(笑)。

元ギャンブラーの横山さんがファイナンシャルプランナーになった理由

―そんな横山さんが、なぜファイナンシャルプランナーになろうとしたのですか?

横山:最初は、司法書士になろうと思ってたんですよ。だから大学中退後専門学校へ行き、その後司法書士事務所で働いていました。そこでは破産や個人再生といった債務整理をやっていて、借金をたくさん作って青い顔をした人が駆け込むような場所でした。人を助ける仕事に誇りを感じていたんですが、3〜4年したらまたそのお客様が戻ってきてしまうんですよ。

―それってまさか......。

横山:何が起きているかというと、お金がなくて借金しようにも破産しているからまともな金融機関からは借りられない。だから闇金に行ってしまって、当時は「臓器を売れ」なんて脅されて、とんでもない金利でまた返せなくなってまた脅されて......。司法書士は破産の手続きはしても、家計の見直しやアドバイスは業務範囲ではないので。破産した人が借金を繰り返してしまうんですよね。

お金で失敗するなとは言わないです。でも転んだらちゃんと怪我した原因と状況を見て、もう二度と転ばないようにする術をわかってほしかった。だから、司法書士から方向転換してファイナンシャルプランナーになりました。

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―だから家計再生を専門にされているんですね。いい人すぎる......。この勢いで福沢諭吉みたいに将来お札の人になってほしい。

スマホ7台で月額1万円を切る横山さん家の格安SIM術

横山:家計の見直しで言うと、1個自慢していいですか?

―なんですか?

横山僕の家では、スマホ7台を契約して月額1万円を切ってるんですよ。子供が6人いて、1人は独立してますが、中学生から大学生までの子ども5台分、プラス夫婦2台で、計7台です。

―ウソ!? そんなこと可能なんですか! てか、子供6人って大家族の番組に出られるレベル。

横山:格安SIMを使い始めたのも早くて、だいたい7〜8年前から。妻がその辺マニアックな人なんですよ(笑)。子供の使い方によって最適なプランを選んでいるので、だいたい2〜3年で見直してて、携帯会社はバラバラです。うちの子供は友達のスマホ代を聞いてびっくりしているみたいですね

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―さすがとしか言いようがないですね。

横山:家計の話に戻すと、手っ取り早いのは固定費の見直しです。毎月変わらない家賃とか生命保険などですね。娯楽費などの変動費より、1回手続きしちゃえば効果を持続できますから。あまり変動しない通信費も固定費のうちなので、今の時代、スマホ代の見直しはマストだと思いますよ。

家計全体を見直さなくても、まずは1つ変えてみるだけでいいんです。例えば、マイボトルを持ち歩いてペットボトルを買わないようにしようとか。1日150円程度の節約なんて、たいしたことないって思いきや、そうじゃないんですよ。実際、うちのお客様に実践した方がいるんですけど、その方がどうなったか。お金を使うことに対する意識が変わって、徐々に家計全体に目が行くようになったんですよ。だから何かワンアクション、やってみてください。

―なるほど! たった150円程度の節約が、大きな節約につながるんですね。

まとめ

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横山さんのお話、目から鱗が落ちまくりました。家計のことって考え始めたらきりがないですが、節約できるところを見極める一歩目の行動が大事なんですね。

「使うところは使う! 削るところは削る!」というメリハリの洗礼を浴びて背筋が伸びました。好きなことにお金を使うのを否定しない横山さんの教えには、救われた人も多いのではないでしょうか。

それに、元ギャンブラーが家計のプロになったとは、説得力ありすぎです。よーし。なんだか「バカでも東大に行ける!」みたいな某マンガとドラマ的な希望が湧いてきましたよ。「私が節約なんて無理!」と及び腰の人も、諦めることなかれ。目指すは、貯金2000万円だー!

まずは、横山さんのご家庭でも実践している、スマホ代の見直しからはじめてみませんか? BIC SIMのギガプランなら、月額データ使用料2GB 850円(税込)〜から契約できます。ご家族のスマホ代を理想の通信費の支出割合2.5〜3.0%に収めることを目指すなら、ぜひご検討してください!

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文/ツマミ具依
撮影/橋本千尋
編集/株式会社LIG