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特集
2022.03.18

スマホ事件簿2021年!サイバー犯罪コメンテーター・佐々木成三さんが警鐘「より巧妙化しているスマホ犯罪に巻き込まれないために」

スマホ事件簿2021年!サイバー犯罪コメンテーター・佐々木成三さんが警鐘「より巧妙化しているスマホ犯罪に巻き込まれないために」

いつでもどこでも指先ひとつで世界中の誰とでも繋がることができ、自由に自分を表現できる。スマートフォンは現代を生きる私たちにとって、欠かすことのできないツールとなりました。しかし、そんな便利で楽しいスマホをきっかけとする犯罪が、近年激増しているようです。

「気をつけているから大丈夫」と、あなたは言い切ることができますか?

今回は、スマホをきっかけとするネット犯罪「スマホ犯罪」について、元捜査一課の警部補であり、サイバー犯罪全般に詳しい佐々木成三さんにインタビュー。2021年に実際に発生したスマホ犯罪の事例を挙げていただきながら、巻き込まれないための注意点や防犯対策などについてお聞きしました!

お話を聞いた人:佐々木成三(ささき・なるみ)さん

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刑事コメンテーター/一般社団法人スクールポリス理事

1976年岩手県生まれ。22年間に渡り埼玉県警察本部に勤め、うち10年間を刑事部捜査第一課・警部補として従事。捜査一課ではデジタル捜査班の班長を務め、スマートフォンの解析やサイバー犯罪の捜査などに関わった。また、数々の重要事件において被疑者の逮捕や取り調べ、関係者からの情報収集、被害者支援など多岐にわたり実績を上げている。主な著書に『あなたのスマホがとにかく危ない〜元捜査一課が教える SNS、デジタル犯罪から身を守る方法』(祥伝社刊)、『元捜査一課刑事が明かす手口 スマホで子どもが騙される』(青春出版社刊)など。

Twitter @narumi_keiji
YouTube 「佐々木刑事チャンネル」

スマホ事件簿①不在メールに入力したら、クレジットカード情報が盗まれた......

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事件内容:
Aさんのスマホに「荷物のお届けにあがりましたがご不在でした。こちらにご連絡ください」というショートメールが届いた。文章の下にあるURLをクリックすると、宅配便業者の見慣れたログイン画面が出てきたので、IDとパスワードを入力。さらに「クレジットカード情報を再度入力してください」と表示されたので、促されるままに入れるとトップページの画面が出てきた。「これで大丈夫だろう」とひと安心のAさん。

しかし翌月、クレジットカードの利用明細をチェックしてみると、覚えのない高額の買い物の記載が......。何者かにクレジットカードの情報を盗まれ、不正利用をされてしまったのだ!

佐々木さんアイコン佐々木

2021年にもっとも多かったスマホ犯罪が、この「フィッシング詐欺」です。大手の通販サイトや宅配便業者からのメールに見せかけて偽サイトへ誘導し、クレジットカード番号や個人情報を抜きとります。特に今は、コロナ禍でネットショッピングの利用者数が増えているから、疑いなくクリックしてしまうケースが多いんですね。

そのほかにも、「不正なログインがありました」「不正送金されたのですぐに確認を」などと不安を煽るような文面でネット銀行やインターネットバンキングに飛ばされることもあります。もちろんこれも偽サイトです。「フィッシング詐欺」を検索して見比べてもらうと分かるのですが、偽サイトのデザインは本物のサイトにソックリ。サイトのURLで見ぬけることもありますが、最後の「co.jp」や「.com」が違うだけであとは同じという場合もあって、こうなると僕でも気付けません。

被害を防ぐには、怪しいメールが来ても絶対にURLをクリックしないことです。もしクリックしてサイトを開いてしまったら、個人情報を絶対に入れないこと。メールやショートメールから入ったサイトで個人情報の入力を促されたら、完全にアウトだと思います。普段から利用する通販サイトやネット銀行は、アプリをダウンロードするかブックマークを登録しておき、常にそこから入るようにすると安全です。

<フィッシング詐欺>はこうして防ぐ!

  • 怪しいメール・ショートメールは開かない
  • 個人情報の入力を求められたら偽サイトの可能性が濃厚
  • メールの真偽が不明な時はアプリかブックマークから入り直そう

スマホ事件簿②中学生がSNSで出会った人から裸の画像を要求された......

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事件内容:
来春に受験を控える中学3年生の女の子、Bさん。SNSで「きっと受かるよ!」と励ましてくれた自称・大学生のWに好意を抱き、DM(ダイレクトメッセージ)で頻繁にやり取りをするようになる。写真を見ると、Wはかなりのイケメン。会話も知的で楽しく、Bさんにとっては"頼れるステキなお兄さん"だった。

しかし、やがてWから「裸の写真を送って」「会ってみたいな」とDMが届くようになり、思い悩んだBさんは両親に相談。警察に届けてしばらくするとWが検挙され、その素性が明らかになる。

実はWは60代で、以前は小学校の校長を務めていたという男性。彼はイケメン大学生になりすまして、Bさんのような少女たちから画像を集め、SNSで知り合った50代の男たちに売りさばいていたのだ!

佐々木さんアイコン佐々木

SNS被害で特に多いのは、「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」。なかでも、上記のように"なりすまし"をして子どもを騙す犯罪が増えています。ほかにも、女性のフリをして「親が下着メーカーの社長で、下着のモデルを探している」と呼びかけるケースや、女の子だけじゃなく男の子の画像を要求することもあるんです。

もし送ってしまえば、画像はデジタルタトゥーとして永久にインターネット上に残ります。たとえ元画像を削除しても、ネット上でひとり歩きしてしまい、一生消すことはできないんです。「なぜ会ったこともない人にそんな画像を送るんだ?」と不思議に思うかもしれません。

しかし、子どもたちは悩みを聞いてもらったり「カワイイ」と言われたりするうちに相手が「いい人だ」と信じこんでしまう。何より「承認欲求」が満たされるんですね。これは「グルーミング」といって、犯人が子どもたちの心を掴むための巧妙な手口。一度でも画像を送ると、今度は「バラまくぞ」と脅迫されて画像を送り続けたり、実際に会ってしまったりするハメになる。犯罪者は、大人よりも流されやすく素直な子どもの心につけ込んでくるのです。

これを防ぐには、一人ひとりの「ネットリテラシー(ネットを使いこなすための知識や能力)」を上げるしかありません。子どもたちだけで学ぶのではなく、私たち大人が協力して呼びかけていくべきです。

あとは想像力を養うことですね。行動を起こす前に「この人は本当に大学生?」「裸の画像を送ったらどうなる?」などあらゆるケースを想像できるように教育してください。また、スマホのフィルタリング機能(ソフト)を利用して、危険なサイトに近寄らせないというのも効果的だと思います。

児童買春・児童ポルノ禁止法違反はこうして防ぐ!

  • プライベートゾーンの写真は絶対にSNSで送らない
  • 一度ネットに載せた写真は一生消せない怖さを知る
  • SNS上にはなりすましのアカウントが多くあることを知る

スマホ事件簿③インターネットで身に覚えのない誹謗中傷された......

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事件内容:
40代男性のCさんは、友人から「ネットにあなたのことが書かれている」と連絡を受ける。教えられたInstagramのアカウントを見ると、そこにはCさんの本名と「女性関係がだらしない」といった事実無根の書き込みが!

改めて調べてみると、匿名掲示板やブログにもCさんの個人情報や悪口が大量に書かれていることが分かった。その後もやむことのない誹謗中傷に耐えられなくなったCさんは刑事告訴を行い、SNSや掲示板のコンテンツプロバイダに情報開示を請求する。

ほどなく判明した犯人は、数年前に離婚した元妻のX。Cさんの不倫が離婚の原因だったため、Xは財産分与を受けたが、職場で出会ったYから「もっとお金を搾り取ろう」と唆され、指示されるままに誹謗中傷の書き込みをしたという。

佐々木さんアイコン佐々木

今はスマホがあれば指一本で何でもできる時代。人を傷つけることも、嘘を拡散することもできます。SNS利用者がいる限り、「誹謗中傷」は止まらないでしょう。しかし名誉毀損罪や侮辱罪、脅迫罪などに問われる犯罪です。

加害者の心理で共通しているのは、"違法性"の認識がないこと。「人がやっているから」「ネットに書いてあるから」という理由で大丈夫だと思いこんでいるんです。ネットでの誹謗中傷は厳罰化が進んでいて、最近では書き込みをリツイートしただけでも罪に問われたケースがあります。軽い気持ちや歪んだ正義感から犯罪者になってしまうわけです。

そうならないために必要なのは、 "理性"。感じたことをそのまま発信できる術が目の前にある状態で思いとどまるには、理性を鍛えないといけません。そして、情報を俯瞰的に見る力も求められます。誰かの誹謗中傷が書かれた記事を見たら、「単なる噂では?」と疑ってまずソースを見ることが大事です。

被害者になってしまった場合は、やはり相談するしかないでしょう。誹謗中傷ホットラインなどに連絡してください。以前の僕は「誹謗中傷なんて無視すればいい」と考えていました。でも、ある時僕も「あいつは若くして捜査一課をやめたから、金でも盗んでクビになったのだろう」と書かれたことがあったんです。もちろんそんな事実はありませんし、ただの先入観なんだろうけど、そこにどんどん「いいね」がつくうちに「これがみんなの意見なのでは......」と負のスパイラルに陥ってしまいました。ひとりで悩んでいても誹謗中傷はなくなりません。

これはひとつの考え方ですが、Twitterには日本国内だけでも4,500万のアカウントがあるんですね。悪口の書き込みに、たとえば100の「いいね」がついても、それは4,500万分の100だから決して多くはない。僕はそう考えて冷静に受け止めるようにしています。

インターネットの誹謗中傷はこうして防ぐ!

  • 加害者にならないためには理性を鍛える
  • 情報はまずソースを確認
  • 被害者になったらすぐに相談を

スマホ事件後④SNSで知り合った投資家に老後資金を託したら、騙し取られた......

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事件内容:
老後の資金を増やしたいと考えていたDさん。SNSで知り合った投資家Zから「100万円を預けてくれれば、10%の配当金を1年間毎月支払います」と投資話を持ち掛けられた。100万円が1年後には120万円になる――うますぎる話に不安になったDさん。

しかし、実際に会ってみるとZはとても真面目そうで会話もスマート。すっかり信用したDさんは、その場で100万円を手渡してしまう。翌月も翌々月も配当金はきちんと入金され、Dさんはホクホク。ところが、3カ月目からは入金がなく、もらった名刺の番号に連絡をしても通じない。結局Dさんは80万円をだまし取られてしまったようだ。

佐々木さんアイコン佐々木

SNS利用者をターゲットにした「詐欺事件(ポンジ・スキーム)」です。投資話のほかにも、「ビジネススキルが上がる」といって数十万円の情報商材を売りつけたり、楽に稼げる副業を紹介したりするケースもあるようですが、儲けることはできません。

ただ、厳密にいうとDさんのケースは詐欺として立証するのは難しいんです。上記の話でいえば、DさんはZから配当金20万円を受け取っています。投資である以上、儲けがゼロになるリスクはありますから、詐欺として立件するには容疑者に投資したお金の使途先を判明させなければ、詐欺を立証することはむずかしいのです。

情報商材も同様で、支払った数十万円はあくまで商材の代金ですから、儲からないからといって騙したことにはならない。黒に近い"グレー"なんです。今はコロナで経済的に厳しいという方が多く、犯罪組織はそこにつけこみます。悪質な詐欺事件は今後まだまだ増えていくでしょう。そして手口はどんどん巧妙になり、アップデートされていきます。

騙されないためには、SNS以外からも情報を得ることをオススメします。人はネットの中だと自分の先入観だけで都合よくものを見てしまいますから、「この人はいい人だ」「儲け話は本物だ」と根拠のない話を信じやすいのです。「人を疑うなんて......」と思う人もいるでしょう。でも、犯罪組織は"疑うことは悪いこと"と考えがちな日本人の性質を利用します。ネット上では疑いの目で見ることも必要です。

SNSなどのネット以外から情報を得るには、家族や職場、地域などのコミュニティで話しあい、「こういう事件がある」という情報を皆さんで共有してください。私たちもそうやって、知識をみんなでアップデートしていきましょう

SNS利用者をターゲットにした詐欺事件はこうして防ぐ!

  • 時には疑うことも必要
  • SNS以外からも情報を仕入れる
  • みんなで犯罪の手口を共有する

佐々木さんインタビュー「安全にスマホを使いこなすには?」

―「スマホ事件簿①」で触れたスマホ犯罪で一番多いというフィッシング詐欺ですが、偽サイトのデザインは年々精巧になっているそうですね。

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佐々木:今の技術なら本物ソックリの偽サイトが簡単に作れますからね。あまりに被害が多いので、大手通販サイトでは注意喚起のお知らせを出しているくらいです。

僕が厄介だなあと思うのは、途中で本物のサイトに飛ばされるパターン。まずURLから偽サイトに飛んで個人情報を入力すると、エラー表示が出ます。入れ間違えたかなと思って「戻る」ボタンを押すと、本物のサイトのログイン画面に飛ぶんです。そこでログインし直せば、偽サイトで個人情報を入力したときに情報を抜き取られたことに、最後まで気付けません。

―最近は「ふるさと納税」などのネット広告をクリックしたら偽サイトだったという話も聞きますが......。

佐々木:多数報告されています。かなり大幅な割引している広告サイトや納税なのに割引があるなどは偽サイトの可能性が高く、そういったサイトにはクレジットカード情報などを入力はしてはいけません

―漏れてしまった個人情報はどのように悪用されるのでしょうか?

佐々木:犯罪組織はネットショッピングなどで高額品を購入したり、ダミーのクレジットカードで不正利用されてしまいます。

ー怖いですね......。そうはいっても、私たちのような一般人がそんな大がかりな犯罪の標的になることは珍しいのでは?

佐々木:サイバー攻撃は年々増加しており、今はIoT機器(WEBカメラやルーター)を狙った攻撃が大変多く、その件数は私たちの想像をはるかに超える数ですので、一般人の方のセキュリティ対策も必須です!

スマホやパソコンを使っている人で、サイバー攻撃を受けていない人はいないと思います。すでに何らかの情報が漏えいしているという前提で、しっかり対策するしかないでしょう。

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―情報漏えいの被害を拡大しないためにはどうしたらよいのでしょうか?

佐々木:確実にやってほしいのは「二段階認証」ですね。乗っ取り被害も防げるので、SNSでもネット銀行でも二段階にできるサイトでは必ず設定してください。

あと、IDとパスワードを使いまわさないこと。面倒だからと使いまわす人が多いのですが、先ほどもお話しした通り、一度漏えいしたら他のサイトにもログインされてしまいます。そして、できればパスワードは定期的に変えた方がいいでしょう。

―普段からスマホを利用するうえで気をつけた方がいいことはありますか?

佐々木:アプリは必ず正規のサイトからダウンロードすることですね。AndroidはGoogle Play ストア、iPhoneはApp Store。それ以外から落とした場合、どんな危険が潜んでいるか分かりません。さらに安全性を高めたい場合は、セキュリティソフトなどを入れておくことをおすすめします。

―これからもスマホを安全に使っていくために、心がけるべきことを教えてください。

佐々木:ここまでさまざまなスマホ犯罪への対策をお伝えしてきましたが、やはり犯罪も日々巧妙化しているので「100%安全」というのはあり得ない。誰もがネットリテラシーを身に着けて、自分で自分を守らないといけません。スマホ犯罪に遭いやすい人をよく情報弱者などと言いますが、それはネットに関する情報が少ない人だけではなく、"情報のフィルタリングができない人"も含みます。

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佐々木:たとえば、子どもたちは大人よりもはるかにネットに詳しいけれど、善悪や真偽の判断は得意ではない。つまり情報弱者なんです。だからこそ、フィルタリングのできる人や携帯電話会社などの「情報強者」が作ったコミュニティを見つけたら、その中でネットリテラシーを学んでいってほしい。スマホ犯罪を防ぐには、やっぱり人間同士のつながりが重要だと思います。

まとめ:スマホの犯罪に巻き込まれないように対策をしよう

警察庁によると、日本国内で2021年上半期に発生したサイバー犯罪の検挙件数は5,345件。 そのほとんどがスマホを介したものだと言われています。これはあくまで判明している数だけですから、誰にも相談できずに泣き寝入りした人や気を付かないまま過ごしている人を含めたら、恐ろしい数になることが想像できるでしょう。

スマホを介した犯罪は誰でも遭遇する可能性があり、また、誰もが被害者にも加害者にもなり得るものです。避けて通るよりもその危険性を知り、周囲と情報を共有することが防犯の第一歩につながります。こちらの記事を参考にしながら、ぜひ家族や職場などで話しあってみてください。

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文/ほそいちえ
イラスト/はやかわくにこ