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特集
2021.12.10

【現役東大生・西岡壱誠さんにインタビュー】今どきの学生にとってスマホは勉強に欠かせないアイテム!親が知らない学生のスマホ勉強法

【現役東大生・西岡壱誠さんにインタビュー】今どきの学生にとってスマホは勉強に欠かせないアイテム!親が知らない学生のスマホ勉強法

中高生がスマホを使っていると、ついつい「遊んでいるのでは?」と思ってしまいますが、今やスマホは勉強においても重要なツールとなっているんです。単語の意味を調べたり、動画サイトで問題の解き方や授業を視聴するのはもちろん、勉強時間や試験のスケジュール管理をしたり、友達とLINE通話で繋いだまま一緒に勉強するなど、学習面での活用はどんどん広がっているそう。

ラネット様グラフ.jpg参考)中学生の91.4%、高校生の94.5%が勉強でスマートフォンを活用、 2017年から中学生は0.4ポイント、高校生は2.4ポイント上がる 中高生の約7割が「スマホで勉強が捗るようになった」 https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1797.html

しかし、子どものスマホとの付き合い方は親世代にとっては悩みの種。そこで、偏差値35から東大合格を果たした現役東大生・西岡壱成さんに、スマホ学習の現状をお伺いしました。ドラマ『ドラゴン桜』の監修やYouTubeで「スマホ学園」を運営する西岡さんが今の中高生と接する中で感じた、スマホ学習のメリット・デメリットとは?

もはやスマホ学習は当たり前!SNSを活用して勉強を加速させるべし

―今どきの中高生はスマホをどのように勉強に活用しているのか、現状を教えていただけますか。

西岡壱成(以下、西岡):スマホを使って友達と勉強するっていうのがメインだと思います。ずっと友達と繋ぎっぱなしにして一緒に勉強するんです。YouTubeでも勉強関連の動画は多いんですけど、YouTuberで勉強している姿をずっと流し続けるっていうのがあって。その動画自体はそれだけなんです。それだけなんだけど、そこに同時接続してみんなで一緒に勉強しましょうって言うと、200人以上の学生たちが集まってきて、一緒に勉強するんですよね。

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昔で言う自習室とか図書館に行くのと同じ心理だと思うんですけど、繋がってる感みたいなものを得たいっていう子が多くて。相互監視機能というか、誰かが見ていないと勉強できないってこと、やっぱりあるじゃないですか。その中で、オンラインで繋がって勉強するとか、オンライン自習室みたいな取り組みが一般的になってきたのかなと思っています。

3.jpg参考)高校生はどんなときに音声通話・ビデオ通話を使う?https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003061.000001594.html

―自習室や図書館に行く感覚と聞くと、少し理解できるような気がします。

西岡:コロナ禍で自習室に行くことも制限されるようになったというのも影響しているとは思います。僕が現役の受験生だった5年くらい前は、さすがにスマホ学習って一般的ではなかったんです。でも、この1年半くらいで一気に加速しているように思います。

―コロナ禍で一斉休校になったことが大きかったんでしょうか。

西岡:それは非常に大きいと思いますね。一斉休校の時、本当にたくさん宿題が出たんですよ。でも、急に「休校だから宿題やって!」と言われても、できないですよね。生徒は基本的に自宅学習に慣れていないわけですから。放課後も学校に残って、みんなと一緒に宿題だけは終わらせるとか、お互いに教え合うとか、今まではそんな感じでこなしてたんだけど、それを一気に禁じられてしまって。そういう状況になり、これはオンラインでもできるんじゃないかって気がついて、スマホというツールが勉強にハマり出したんじゃないでしょうか。

―そんな中で、私自身も子供がいるので勉強垢(勉強用のSNSアカウント)を作るという話もよく聞くんですが、その実態も親世代にはわかっていなくて。勉強垢って必要なものなのでしょうか?

西岡:逆に親御さんたちに聞きたいのは、会社などでは日報を書いたり、仕事の成果を報告することは普通にありますよね? 僕の場合はSlackとかで、友達から「今日はこんなことをした」っていう日報が上がって、「それいいね」とか「じゃあ、こうしてみたら」とかワイワイやって仕事が加速していくのはよくあることなんです。

じゃあ、仕事ではそれをやっているのに、なぜ勉強ではやらないんだろうっていう話なんです。その日の勉強の成果をSNSにアップして、友達と「こんな勉強したんだ、いいね」と盛り上がったり、「明日はこれくらい勉強します」と宣言したりするのって、仕事と同じように効果があるんですよね。仕事では当たり前にやっていることを、学生たちが勉強でもやり始めたっていうのが実情なのかなって思います。

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―勉強の進捗状況をSNSで公開するメリットはなんでしょうか。

西岡:一番は、学習時間が確保できるということだと思います。みんなが見てるとか、宣言したからにはやらなきゃっていう心理は誰しもあるじゃないですか。自分で言うことによって逃げられなくする、退路を断つみたいな効果はあると思うんですよね。

―それ以外にもメリットはありますか?

西岡:実は、何をしているかをSNSに書くのはすごく重要なんです。例えば、成績が奮わない子って「数学を2時間勉強します」と言っちゃうんですけど、「じゃあ、具体的には数学の何を勉強するの?」と聞くと、「えーっと、あの参考書かな?」と、実際にやるべきことがぼんやりしてるんですよね。

でも、それが東大生だったら、「今日は青チャートっていう参考書の52〜56ページをやることで、場合の数の基礎問題くらいは解けるレベルに持っていきたいです」って答えるんです。この違いって、自分の現状や目標、そのために今やるべきことをきちんと分解して理解できているかどうかなんですよね。そういう具体性を持っていると、成績って上がりやすくて。そのためには人に報告してフィードバックをもらうことがすごく大事なんです。

―そのために、SNSに書き込むということですか?

西岡:そうです。SNSで「数学をやった」とあげると、誰かが「何をやったの?」って聞いてくれるんですよ。SNSって自分の分析を促してくれるんです。人から見られている感覚っていうのは、そういう効果もあって。自分の目標や目的を明確化できるのは、SNSを使う大きなメリットだと思いますね。

―なるほど! そう考えると、親からしてもすごく納得感があります。勉強の進捗状況の報告のほかに、勉強垢の上手な使い方ってあるんでしょうか。

西岡:ノートの画像をアップするのがおすすめですね。人から見られてる感覚って、勉強においてすごく重要なんです。例えば、親御さんがノートを見たときに、文字が汚くて読めない子っているじゃないですか。でも、それを親から指摘されると、「自分には分かるからいいんだ!」って言うんですよ(笑)。だけど、友達が普通に「これ何て書いてあるの?」って聞いたら、話が全然変わってくる。人に見られてる感覚があると、ノートの書き方にも工夫が出てくるんですよ。

「スマホ学園」の活動で気がついた"生"であることの必要性

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【公式】スマホ学園:https://www.youtube.com/channel/UCrrJPoGhM4gjyqC6Nda9gUw

―西岡さんが「スマホ学園」を立ち上げたのは、コロナ禍の一斉休校がきっかけだったそうですね。

西岡:急に休校って言われて、生徒が勉強するかというと、しないんですよね(笑)。でも、クラスの何割かの生徒は、まったく勉強しないのも不安だなって思うわけです。宿題をすればいいんだけど、やっぱり一人でやるのは辛いってなった時に、東大生が生配信で毎日オンライン授業をやったら面白いんじゃないかなって思ったんですよね。友達の東大生にも教えたがるヤツがめっちゃいたから、よし、教えろ教えろって言って(笑)。

―実際に始めてみていかがでしたか?

西岡:すごく面白かったですね。僕らもオンライン授業はやったことがなくて、どんな感じなのかなと思っていたんですけど、コメント欄がすごく盛り上がったりして。学年は同じだけど、会ったこともないような学生たちが集まって、チャットスペースみたいになったんですよね。授業を聞きながら、誰かが「これってこういうことかな?」と書き込むと、「これはこうだよ」って教えてくれる人も出てきたりして。

―コメント欄がリアルなクラスみたいになってきたんですね。

西岡:そうなんです。ただ勉強してるだけの動画もある中で、生配信でやる意味ないよねという考え方もあると思うんです。でも、みんなが生配信に集まって一緒に勉強しようって状態が盛り上がっているので、やっぱり生でやるよさもあるんだってことは忘れちゃいけないなって思います。録画じゃないものを求める層も一定数いるのは、すごく発見でした。

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―活動していく中で、印象に残っていることはありますか?

西岡:面白かったのは、動画を上げた時に小6の子が小3の子にチャット欄で教えるみたいなことがあったんです。おお、えらいなーって思ったんですけど、でも考えたら、これが勉強だよなって。一斉休校以降、学校って何のためにあるんだろうという議論が起こったじゃないですか。今は文部科学省でも「個別最適化学習」を進めようという動きがあります。それ自体はよく分かるんですけど、そうなると「学校っていらないの?」ってなっちゃうじゃないですか。

ひとり一人がオンラインで学習を完結できちゃうし、ツールを提供したら、それだけで教育格差の是正でしょっていうんですけど、僕はやっぱり人間を変えるのは出会いなんじゃないかって思っていて。学校って、あいつより成績よくなりたいとか、基本的に比較によって成長すると思うんですよ。その普遍性はあるんじゃないかなと思います。

子どもには早めにスマホ学習を!失敗も早めの経験でプラスに

―これからスマホを子どもに持たせようかと思っている親御さんに、スマホ学習のメリットデメリットを教えていただきたいのですが、西岡さんご自身はスマホ学習をしていましたか?

西岡:していましたね。僕らの世代が最初くらいなのかなと思います。実際、大学に行くと、スマホを使って勉強せざるを得なくなるんですよ。全部電子化されてるし、勉強以外でもインターンに行ったらアプリで仕事の進捗管理をしろとか、Slackを使えと言われるし、勉強も仕事もスマホを使わなきゃいけない状態に置かれます。だから、スマホが使いこなせないという人のほうが、大学に入って辛い状況があるんです。そう考えると、今の時代は基本的には早めに使い始めるのがいいんじゃないかなと。

―でも、親としては心配な面もあるんですよね......。

西岡:もちろん、いろんな危険はあるかもしれないけど、それはもう早めに経験できてよかったねって解釈してあげたほうがいいような気がします。今はロック機能もありますし、使っていいのは何時間までというルールを決めるとか。YouTubeばっかり見ちゃって勉強が疎かになって痛い目に遭うんだったら、そういう経験を早めにさせてあげたほうがいいじゃないですか。中学生でYouTubeばっかり見ちゃう子は、大学生になったって絶対同じことになりますから。取り返しがつく年齢のうちに経験できたほうがいいよねって。

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―では、スマホ学習するためにおすすめのアプリなどはありますか?

西岡:親御さんにおすすめなのは、「Studyplus(スタディプラス)」ですね。勉強の進捗報告をするSNS機能がついていて、勉強だけに特化したアプリなので、親御さんは一番安心なんじゃないかな。生徒から聞かれた時には、Instagramがいいんじゃないって答えてますね。人に見られている感覚を持つためには画像をいっぱい上げられたほうがいいので、Instagramに「ノートとかの画像もひっくるめてアップしてみたら?」と言ってます。

―おすすめの教育系YouTubeチャンネルを教えてください。

西岡:万人におすすめできるのは、「ワールドファンシー」っていうチャンネルですね。9万人くらい登録者数がいて、小学生レベルなんだけど、すごい難しい問題とかがあって。「8.4-2.4÷0.6 意外と正解できない小数の減除問題!」とか、「√81の平方根は?」とか、改めて聞かれると難しいっていう。毎日更新されてるし、これは素晴らしいチャンネルですよ。

8.pngワールドファンシー:https://www.youtube.com/channel/UCRwFJZWyzlsU3Q7J8BmI5GQ

―ほかにはいかがでしょう?

西岡:英語のチャンネルって本当にたくさんあるんですけど、「ごく普通の外国人がっちゃん」が面白いなって思います。韓国人の方なのかな? 日本語も英語も勉強していて、でも母国語は韓国語という方がやっていて、日本語も英語も母国語じゃないからこそ分かる、日本人が英語で引っかかるポイントを教えてくれるんです。

日本人は現在完了形ってわからないと思うけど、日本語の感覚で英語を学ぼうとするとわかんないよねっていう。そういう視点のチャンネルは今までなかったから面白いなって思います。

9.pngごく普通の外国人・がっちゃん:https://www.youtube.com/channel/UCYg9i0n1Vc4705rsYKJio9A

―西岡さんの今後の目標を教えてください。

西岡:「スマホ学園」では、最近勉強になる面白い話などを上げています。「ミスチルのウラにある文学的真実を東大生が語る!」とか。ミスチルの「others」っていう曲のタイトルっておかしくない? 実は深い意味があるんですよ、みたいな、学生たちが興味のある話題を取り上げつつ、少し深読みできるような動画をあげています。こんなふうに、勉強にまったく興味のない学生たちにも、ちょっとでも興味を持ってもらえるようにしたいなと思ってますね。

まとめ:お子さんとスマホの使い方について話し合ってみよう

西岡さんのお話を伺って印象に残ったのは、勉強における人に見られている感覚の重要性。この感覚は、今までは学校や塾で勉強していれば、自然と得られていた感覚だと思うのですが、コロナ禍によってその機会を奪われてしまったことが、スマホ学習を大きく加速させていたんですね。

今や、仕事をするうえでスマホを使わないなんて考えられませんよね。一生スマホを使わないという選択肢がない以上、早めに使い始めるに越したことはないんだなと感じました。もちろんスマホを持つことでいろいろな危険はあると思います。ただ、だからと言って遠ざけていたら、子どもたちはいつまで経ってもスマホとの正しい付き合い方を学ぶことはできません。この記事をきっかけに、お子さんとスマホの使い方について話し合ってみてはいかがでしょうか。

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文/末光京子
編集/株式会社LIG