1カ月1GB生活リアル検証レポート「1カ月1GB生活してみたら全然余裕だったし、生活習慣も改善された!」
最近、大手キャリアから2,970円(税込)で「月20GBまで」のデータ通信が利用できる新料金プランなどが登場して話題になっていますね。
ですが、「Wi-Fiも使ってるし、1カ月のデータ通信量って20GBもいらないんじゃ......」と思っている人もいるはず。「もしかして格安SIM会社が対抗して、もっと少ないデータ量のプランを打ち出しているのでは?」とまで考えた人は、かなり鋭いです。
BIC SIMが新しく発表した料金体系は、なんと「2GB 850円(税込)/月~(音声通話SIM)」というもの。しかし、ここで問題になるのは「1カ月2GBでスマホ生活が成り立つの?」ということです。
「1カ月1GB生活」の挑戦者・バンビ氏
そこで今回、Web制作会社に勤めるメディアディレクターのバンビ氏(ビジネスネーム)に「1カ月1GB生活は可能か?」というテーマを実際に検証してもらいました。
なぜ2GBではなく1GBなのか?
というと、この企画を始めた2月には、まだ「1GB 1,298円(税込)/月~(当時キャンペーンで528円(税込)〜」のギガぴたプランがBIC SIMの最安プランだったためです。今は2GB使えて850円(税込)/月~の、もっと安いプランであるギガプランが開始されたのですが、まずはチャレンジ目標として1GBでできるかを検証してもらいました。
とりあえずバンビ氏には、「BIC SIMに乗り換えて、1カ月1GB以内で過ごしてね」というミッションをお願いしました。
検証スタート前のバンビ氏のスマホをめぐる状況は、以下のとおりです。
- 大手キャリアの1カ月5GBまで使えるプランを契約して月8,000円ほど払っていた
- 端末はiPhone 6sを使用
- スマホゲームをやる。主にモンスターストライク(通称モンスト)
- TwitterとFacebookを使う
- Amazonプライムで映画やドラマを見る
- YouTubeもたまに見る
- 現在は基本リモートワークで、会社に行くのは週2日程度
では、バンビ氏による1カ月間の検証レポートをどうぞ!
【1カ月1GB生活:1週目】「1カ月1GB?無理ゲーでしょ!」
というのがボクの最初の正直な気持ちでした。けどまあ、やるからにはなんとか形にしなきゃ、と思っています。若干の不安を抱えつつ「1カ月1GB生活」のスタートです。
まずは大手キャリア→BIC SIMへの乗り換えから。手順は、
- 大手キャリアのマイページでiPhone 6sの「SIMロック解除」の手続き(※)
- さらに大手キャリアからMNP予約番号をゲット(※)
- 本人確認書類(運転免許証)を持ってビックカメラの格安SIMカウンターへGO
- 「ギガぴたプラン」を選んで手続き
※【編集部注】 詳しい方法は MNP転入前に確認すること、スマホのSIMロック解除の方法と注意点について をご確認ください。
そうこうして無事にBIC SIMへの乗り換えが完了。それから考えたのは「1カ月1GBってことは、1日約36MBしか使えないじゃん」ということでした。少なっ!
そのため、どこにいてもWi-Fiが使える場所を探すようになりました。探すときはBIC SIMの特典として無料で使える「ギガぞう」というアプリを使用。立ち上げると近くのカフェやファミレスなどのフリーWi-Fiスポットがサクッと見つかります。うちの近所だとスタバとデニーズとジョナサン、あと漫画喫茶が出てきます。会社付近だと都会なのでもっといっぱい見つかります。
▲会社(新御徒町)の周りでも結構Wi-Fiスポットがありました
わが家にもWi-Fi環境はあるんですが、実はあまり通信速度が出ません。メディアディレクターとしてどうなのかとも思いますが、基本お金がなくて光回線とかは引けないので仕方がない。仕方がないので、仕事は漫画喫茶でやります。あ、今こんなご時世なのでリモワしてます。漫画喫茶はいいですよ。Wi-Fiは快適だし、お店はきれいだし、漫画読めるし。
ギガぞう以外にも使い始めたアプリがあります。IIJmio(BIC SIM)の通信サービス専用アプリ「IIJmioクーポンスイッチ」(通称・みおぽん)です。ON(高速通信)とOFF(低速通信)を手動で切り替えられるデータ通信量節約アプリで、残りデータ量もひと目でチェック可能。
「IIJmioクーポンスイッチ」は旧プランに対応しております。ギガプランをご利用中の方は「My IIJmio」が専用アプリとなります。くわしくはこちらのページをご覧ください。
▲2月1日から使い始めて4日間の記録。クーポンOFF時で頑張っていますね
この2つのアプリはマジで最後まで多用しました。とくにみおぽん。試しにクーポンOFF(低速通信)にしても、けっこう普通にスマホが使えます。クーポンOFFにすると、月のデータ通信容量を消費しないんですって!すごくないですか!?ボク、モンストっていうゲームをやるんですが、低速でもモンストができるのは驚きでした。大手キャリアの月のデータ通信量を使い果たして通信制限を受けた状態だと絶対できないのに。
ギガぞうとみおぽん、「めっちゃ使えるアプリ見っけ!」というのが1週目終了時の感想です。
【1カ月1GB生活:2週目】「あれ?これ余裕じゃね!?」
この頃になるとみおぽんの使い方も慣れたものです。総残量は常にチェック、1日どれだけ使ったかもチェック。はたしてこれほどまでにデータ通信量を気にしたことがかつてあっただろうか、いやない、です。
低速にしてもモンストができることはすでに述べましたが、Twitterはまた違います。画像を開くのにかなり時間がかかる。画像を開かなくても文字だけ読むことはできます。それでも画像が見たいけどWi-Fiに接続していないという場合は、一瞬だけ高速通信に切り替えました。で、画像を見たらまた秒で低速に戻す。これです。この神経質なまでのオンオフ切り替えワザで日々を過ごすようになりました。
あとは、Safari(ブラウザ)で開いたページもこまめに閉じるように。ページを複数開いているだけで、バックグラウンドで通信量が消費されるのではないか、という疑念にとらわれたためです。ネットで調べたら、こうするとバッテリーも節約できると書いてありましたが、真偽はわかりません。
▲Amazonプライムの動画は事前にダウンロードしておけば余裕です
また、Amazonプライムの動画はWi-Fi接続時にダウンロードしてからオフラインで見るようにしました。さらにWi-Fiを使って動画を見るときも、万一のことを考えてモバイル通信を切断。iPhoneの「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」をオフです。明らかに警戒しすぎです。
だけど、誤って1本でも長い動画をダウンロードしようものなら、あっという間にデータが枯渇しそうで。実際、大手キャリア時代は1カ月で5GB超過したこともあったので。そのときは電車内でYouTubeをよく見ていた気がします。5GB超えると自分を責めまくっていました。超えても、追加データ購入は一切しません。お金がもったいないから。残りの日々を泣く泣く超低速モードで過ごしました。
▲2週目はON時とOFF時をうまく切り替えて使えていました
草食動物のような警戒心を発揮したのは(バンビだけに)、そうした過去のトラウマのせいでもあります。しかし、おかげで2周目が過ぎた時点の総残量はまだ900MB以上。「驚異的スコア! これ余裕でいけんじゃね?」というのが2週目終了時の感想です。
【1カ月1GB生活:3週目】「わたくし、生まれ変わったかのようです」
3週目で変わったのは生活習慣です。
会社には週2日程度行っていたのですが、通勤電車の中ではまったくスマホを使わなくなりました。駅や電車内でも無料公衆Wi-Fiを使うことは可能です。だけど、もうなんかデータ通信量を気にしてスマホを見たりゲームをしたりするより、本を読んでいたほうが気分的にらくちんなのです。本は会社の誰かが買って本棚に置いていった無料で借りられるやつを読みました。「企画書の作り方」とか。
そして寝付きもよくなりました。前はベッドの中でも動画とかを見ていたんです。10話くらいある海外ドラマをスマホで見始めて、途中で寝て朝になったら10話全部終わってた......みたいなことがしょっちゅうでした。それも読書に変えたら、ここまで読んだら寝ようって自分で決めて眠れるように。睡眠の質も間違いなく上がりました。
データ通信量の推移も順調で、Wi-Fiのみ使って1日0MBを何度か達成できたので、だいぶ余裕が出てきました。
▲2月20日にON時で107MB使ってしまったので、21日はOFF時にしたら309MBも消費!
それで実験的に、Wi-Fiにつながず、みおぽんをクーポンOFF(低速通信)にした状態でLINEのグループ通話とiPhoneのメッセンジャーでの通話を試してみました。そしたらまったく問題なくて逆にビックリ。さすがに映像が入ると厳しいものの、音声のみならクリアで快適でした。グループ通話で4~5時間つなぎっぱなしでも問題なし。そのため2月21日は「クーポンOFF時(低速通信)で309MB」も使っています。あ、あとこの日はモンストもやってたのか。
とにかくこの頃は、以前のスマホを使いまくる生活から解放された感がハンパなかったです。生活リズムの改善って言うんですか? その効果がすごかったです。スマホに依存しない生き方って素晴らしい。生まれ変わって、ずっと昔はそうだったはずの人間らしい生活を再び始められたというのが3週目終了時の感想です。
【1カ月1GB生活:4週目】「余裕!だがしかし、気は抜けない......」
そしていよいよラストの週。まだまだ1GB到達は遠い先だったので、もうかなり安心感に包まれていたのですが、それでも油断すると500MBは一気に消費されるということもわかっていました。
電車内は読書に徹すると決めていたのに、実はついつい何度かゲームをやってしまってました。ゴメンナサイ。しかもそのとき、みおぽんもON(高速通信状態)にしていたので、消費データ通信量がぐんと跳ね上がったのを経験。気を抜くとほんとダメ、絶対。お酒を飲む方は酔っ払ったときなどとくに注意です。
▲ちなみにギガぞうは急にこうして自動接続されるので簡単に使えました
しかし、逆にいえばストイックに管理することがちょっと好きっていう人は、1カ月1GBは余裕でいけると思います。ボクも基本が貧乏性なので、ギガぞうでWi-Fiスポットを探して、たびたびみおぽんをチェックして、っていう毎日はむしろ面白いと感じました。どれくらいデータ通信量を残せるかっていう自分との戦いを楽しめます。
「つーかそんな貧乏性なのに、なんで今まで大手キャリアのSIM使ってたんだよ!」っていうのが率直な気持ちです。iPhone 6sも5年くらい使ってて、画面がちょっと割れてるけどコーティングしたからあと3年は戦える......って思ってるくらいにケチくさいのに、なぜ通信費には無頓着だったのかと。1カ月前の自分を目の前に正座させて問い詰めたいです。
そしてついに検証期間が終了。結果は1カ月1GBどころか総残量520MB、使ったのは480MBでした。「なんだ半分以下かよ! この勝負、完全にボクの勝利だな!」という高揚感に包まれ、大団円になりました。
「1カ月1GB生活」無事達成!
というわけでバンビ氏による1カ月1GB生活は、まさかの「半分の500MBでも余裕」という結果でした。
2月は日数が少ないとはいえ、それでも素晴らしい結果だったのではないかと思います。そこで改めてバンビ氏にこの検証をやってみてよかったこと、わかったことを聞くと、
- みおぽんOFF時(低速通信)はそんなに低速ではない、かなり使える
- データ通信量を気にして生活すると、健全な生活を送れるようになる
- 頑張れば1カ月500MBで過ごせる
- 1GBあれば、ちょっと気をつけるくらいで生きていけるはず
- スマホの月額料金は安いほどいいに決まってる!
逆に不便なことはあったかと聞くと、
- 残量を毎日気にしなければならないことくらい
なお、冒頭で述べたように、BIC SIMには4月1日から「2GB 850円(税込)/月~(音声通話SIM)」というギガプランが登場しています。
これについて伝えたところ、バンビ氏は「安すぎる! 2GBなんて超余裕じゃないですか! 今すぐそのプランに変えたい」と興奮していました。
なお、BIC SIMのギガプランについて詳しくは、こちらをご覧ください。
最後にもうひと言、普段Wi-Fiが使える環境があり、ギガぞうやみおぽんなどのアプリを活用するといった条件付きですが、それさえできれば「1カ月1GBは余裕、2GBなら超余裕!」です。現場からは以上です。
出演者/バンビ(株式会社LIG) 文/大岡雅弘